『セブン』(1995年アメリカ映画 )
原題:Seven
監督:デヴィッド・フィンチャー(David Fincher)
主な出演俳優:モーガン・フリーマン(Morgan Freeman)、ブラッド・ピット(Brad Pitt)、グウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)
定年退職まで残り1週間と迫ったベテラン刑事サマセットの後任として新人刑事のミルズがやってくる。2人はある死体発見現場へと急行する。死体はとてつもない肥満の男であり、食べ物に顔をうずめて死んでいた。その後、鑑識によってこれが殺人事件であり、それも恐ろしいほどの手間をかけた犯行であることが判明する。これが始まりにすぎないとするサマセットの直感は的中し、翌日、今度は強欲な弁護士の死体が発見される。2つの現場に残されていた「GLUTTONY(暴食)」「GREED(強欲)」という文字から、サマセットはこれがキリスト教における「七つの大罪」をモチーフにした犯行であると判断する。
every chance you get
ダイアログ|DIALOGUE
ミルズの妻トレイシーから相談があると言って呼び出されたサマセット。トレイシーは治安の悪いこの街で子供を育てていくことへの不安を示唆した上で、ミルズの子を身ごもっていることを明かします。その子を産むべきかどうかでトレイシーが悩んでいるとサマセットは察します。
そこでサマセットは、自らもまた結婚を考えていた女性が妊娠したが、このひどい世の中で子供を産み育てることに恐怖を抱き、説得の末に堕胎させてしまった過去があったと語ります。そして、その時の決断は間違っていなかったと今でも思うが、「別の決断をしていたら」と思わない日はないと話し、次のように続けます。
If you don’t keep the baby, I mean, if that’s your decision… don’t ever tell him that you were pregnant.
もし その子供を産まないのなら、つまり、そう君が決断したのなら…、決して彼には妊娠のことを言うんじゃない。
But if you choose to have this baby… you spoil that kid every chance you get.
だが もしこの子供を産むことを選ぶのなら…、精一杯 甘やかして育ててやりなさい。
単語と表現
you spoil
spoil は「駄目にする、台無しにする」という意味で、子供(の育て方)に関する文脈では「甘やかす」という意味になります。
you spoil で「甘やかしなさい」という命令文。命令文における主語(ここでは you)は省略されるのが通例ですが、主語を省略せず明示することで、ほかの誰でもなく「君が」という意味を強めたり、感情の高まりや命令自体の強調を表わすこともあります。このシーンでは、サマセットの感情のこもった力強いアドバイスであることが伝わってきます。
every chance you get
機会がある限り、できる限り、精一杯
直訳すると「得られる全ての機会(を使って~する)」。you は主語に応じて I/he/she/they に置き換えて使います(he/she の時は get → gets)。